第二百五十八章 天上天下

橘芹奈は歩み寄ってプラスチック製の弁当箱を受け取ると、蓋を開け、少し冷ますためにベッドサイドテーブルに置いた。

氷川昴は黒田奏多が目を覚ましたのを確認すると、何も言わずに黙って病室を出て、看護師を呼んできた。

黒田奏多が痛みに耐えられなくなることを心配し、看護師は病室を出る前に「痛みが我慢できなくなったら、すぐに痛み止めを貰いに来てくださいね」と念を押した。

一通りの慌ただしさが落ち着いた後、黒田奏多は期待を込めた眼差しで、再びあの問いを口にした。

「俺のこと、許してくれたのか?」

もちろん、その問いの矛先は橘芹奈と陽菜に向けられていた。

彼にしてみれば、今日は橘芹奈を救うという...

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