第263章 顔を見るだけでイライラする

この部屋にいる誰よりも、「裏切り」を口にする資格がないのは白川雪だ。

黒田奏多に裏切られたのは橘芹奈の方であり、白川雪が崇拝するいわゆる真実の愛とやらは、最初から黒田奏多の橘芹奈に対する裏切りの上に成り立っているのだ。

「私のどこが彼女に劣っているっていうの!? どうして何度も私を捨てて、彼女のところへ行くのよ」

白川雪は橘芹奈を指差し、悔しそうに声を荒らげた。

「容姿だって負けているとは思わないし、年齢なら私の方がずっと若いわ。学歴だって似たようなものじゃない。黒田奏多、あなたに心はないの!?」

白川雪から次々と浴びせられる詰問は、まるで立て続けに放たれる平手打ちのように、黒田奏...

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