第264章 新生を祝う

海人はようやく、自分がうっかり橘芹奈に見せるべきじゃないものを見られてしまったのだと気づいた。途端に慌てふためき、両腕を抱えるようにして身体を隠し、橘芹奈の視線を遮る。

「なんでもない。道で転んだだけだよ」

――どれほど派手に転べば、ちょうどこんな広範囲に青あざができるというのか。

橘芹奈の瞳が、かすかに揺れた。海人のその仕草を、白川雪を守ろうとしているのだと受け取る。

白川雪は、彼の中でよほど重い存在らしい。こんなふうに虐げられている子どもが目の前にいるのに、それでもなお庇い立てするのだから。

「……そう。だったら、もう何も言うことはないわ」

橘芹奈は陽菜の手を引き、立ち上がっ...

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