第273章 やはりお前だと思った

スマホを握りしめ、受話口の向こうから飛んでくる怒号を浴びながら、白川雪は全身を小刻みに震わせていた。

まさか自分の手で、パンドラの箱を開けてしまったとは。向こうにいるのは――悪魔の群れだった。

「カードにもう金がないの。先に処理だけ済ませて。少しだけ融通してよ、遅くても一週間で振り込むから!」

白川雪の言葉を聞いた相手は、鼻で笑った。

「金もねえのに誘拐なんか真似すんじゃねえよ。4、500万で殺しまで頼む気か? てめえの金は他人より偉いってか」

ブツッ、と乾いた音がして通話が切れる。耳に残るツーツーという忙しない音が、白川雪の焦りを煽った。

もうすぐ計画は成功するはずだった。橘芹...

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