第278章 話は落ち着いて話そう

兄弟三人が焦りながら市街地へ入る手立てを探す一方で、橘芹奈もまた手に残る鈍い痛みをこらえ、休む間もなく自力で生き延びようとしていた。

廃墟同然の製鋼所を出るなり、氷川昴と黒田奏多は警察へ通報した。

ついに自分たちの足で、橘芹奈が縛られている場所まで突き止めたのだ。あとは救助が来るのを待つだけ――。

二人が本当に発見したと聞くや、警察の動きは速かった。証拠の揃った誘拐事件。救助隊と消防に連絡が入り、三者はほぼ同時にK市の製鋼所付近へ到着する。

「中の状況は?」

人質案件には特殊な制圧が必要だ。K市の特殊部隊が投入された。

全員が重装備で、手には実弾装填の銃。そこに立つだけで圧がある...

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