ザ・ガゼボ

ポールとセレナは朝九時にアップル・ベイ果樹園へ着いた。空気はきりっと澄み、肌を刺すように冷たい。二人ともジーンズ姿で、セレナは鮮やかな赤いセーター、ポールはTシャツの上に薄茶の暖かなジャケットを羽織っていた。

果樹園は本来、朝九時から営業のはずだった。だが併設の売店へ近づくと、扉はまだ閉まっていて、ニールの青いトラックもまだ来ていなかった。

セレナは腰に手を当てて立った。「ドアの前で待つ? それとも車で待つ?」と尋ねる。

ポールは首を振り、果樹園の敷地を見回した。それから彼女のほうへ歩み寄る。「どっちでもない」そう言うなり、彼はセレナの手をつかみ、背中側へ引いた。「東屋に行こう。待ってる...

ログインして続きを読む