損失

セレーナは息をのんだ。必死に答えを求めて、親友へと視線を撃つように向ける。まるでポールの世界が、またいちど崩れ落ちていくのを見ているみたいだった。彼がこの悲しみを乗り越えることを、自分に許せるはずがない――胸の奥でそう確信していた。

アイリスは悲しげにポールを見た。「わたし、上の階の手すりのところにいたの」そう切り出す。「お母さんとお父さんと、あなたの話を聞いてた。あなたが言いたいことを言い切れるように、途中で止めないほうがいいと思って」彼女は鼻をすすり、手の甲で鼻先をぬぐった。

セレーナはその場に縫いとめられたように動けなかった。エレンに何が起きたのか知りたいのに、今のアイリスには手当て...

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