第5章

「やっぱり嘘つきだったのよ!」真っ先に甲高い声を上げたのは百合子だった。「令嬢ですって? ただの貧乏人じゃない!」

「グッチのバッグも、どうせ全部偽物だったんでしょうね」と、別の客が相槌を打った。「だからこんなところで働かなきゃならなかったのよ」

「『研究プロジェクト』ですって?」百合子は鼻で笑った。「どうせ客に殺された売春婦でしょ。金のために体を売るような女は、遅かれ早かれそうなる運命なのよ」

「百合子!」真理が怒鳴った。「ご両親がすぐ外にいらっしゃるのよ!」

しかし百合子は意に介さない。「可哀想な親ね――。必死に働いて学校に行かせてやったのに、育てた娘がこんなだなんて。...

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