第6章
全身に悪寒が走った。
「黒須誠一の娘さん」加奈はカメラを真っ直ぐに見つめていた。まるでスクリーンを突き抜け、私のことを見ているかのように。「あなたのお父さんは、資金洗浄事件の身代わりにされたの」
「何ですって?」私は息を呑んだ。
「私の父を殺した後、彼らはあなたのお父さんに罪をなすりつけた」彼女の声は震えていた。「お父さんの会社の口座にあった2億円? あれは彼らが仕込んだもの。送金記録? 偽造よ」
「私たちは同じ運命を辿ったの、美玲。私たち二人の家族は、彼らに壊された」
画面が滲んだ――私の涙で。
映像は流れ続けている。
加奈は顔の涙を拭い、深呼吸した。
「...
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