第7章

知佳の視点

 プライベートジェットを降りる。

 イタリア、ローマの陽射しは眩しく、そして暖かかった。

 滑走路には父、林野崇介が立ち、両腕を広げて待っていた。

「おかえり、知佳」

 私は父の胸に飛び込んだ。七年ぶりだった。

 かつて、私が全てを投げ打って秀樹に嫁ごうとした時、父は言った。『お前は必ず後悔する。あの男はお前には釣り合わない』と。

 私は耳を貸さなかった。愛があれば全てを変えられると思い込んでいた。

 今になって、父の予言は的中した。

「お父様、これが聡よ」

 私は骨壺を差し出した――日村の者たちに命じて、墓から掘り起こさせたものだ。

 私の息子を、あんな冷...

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