73話

「ダンテは大丈夫。死なない。絶対に大丈夫だから」

私は病院の廊下をあてどなく行ったり来たりしながら、ダンテが大丈夫だと自分に言い聞かせるようにその言葉を繰り返していた。

もし自分にこの言葉を繰り返し言わなければ、息ができなくなるだろう。ダンテが大丈夫だという希望を思い出すことで、私は呼吸を続けることができ、乱れた心拍も落ち着いた。

ニコリアの家を出てから、もう10時間以上経っている。

ダンテの銃創について病院で質問されることを私は恐ろしく心配していたが、エンツォは、モレッリ家は世界中にマフィアのボスたちが運営する私立病院を持っているから、誰も私たちを尋問することはなく、私たちがしたことに...