第21章

玄関先に立つ少女は、白いワンピースに身を包み、まだあどけなさの残る顔立ちをしていた。唇の端にはふわりと柔らかな笑み。弓なりに細めた目元も相まって、放っておけない可愛げがある。

浅木辰也の顔色は、もはや「不機嫌」なんて言葉では足りなかった。

「お前は……」

少女は怯えたように息をのむ。言葉を発するより早く、背後から伸びた大きな手が彼女をひょいと引き寄せた。

「誰がここに来ていいって言った。戻れ」

少女は振り向いて男を見上げる。

「ずっと誰か呼んでるみたいだったから……心配で、様子を見に来ただけ」

江原越也は彼女の手から水の入ったコップを受け取り、小さな肩をぽん、と叩いて部屋へ戻る...

ログインして続きを読む