第27章

「真代、ぼーっとしてないで飲みなよ。あんた、そういうとこほんとつまんない」

バーの個室。女がどかっと鈴木真代の隣に腰を下ろし、ぐったりした彼女の肩を小突いた。

鈴木真代は気だるげに瓶をテーブルへ置く。

「ムカついてんの」

「何がそんなに?」金原詩織がからかうように横目で見る。「まさか浅木辰也のこと?」

真代は黙って頷き、ため息を落とした。

「桑野夜子が……妊娠した」

「はあ!?」詩織がその場で声を上げる。「それ、子どもを盾にして浅木辰也を繋ぎ止める気じゃないの?」

真代は俯き、苦く笑う。

「分かんない。ただ……このタイミングで離婚ってなったら、さすがに可哀想で……」

詩織...

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