第54章

夜の帳が下りる。空はどんよりと黒く沈み、胸の奥まで塞がるような重さを孕んでいた。

鈴木真代は床から天井まである窓の前に立ち、金原詩織へ何度も電話をかけていた。

昨夜から、村田弘毅と金原詩織はまるでこの世から消えたみたいに音信不通だ。何度かけても、二人とも出ない。

真代はもう、最悪の可能性まで考えていた。

もしかしたら、もう二人とも――。

村田弘毅が自分を売るとは思っていない。

問題は金原詩織の方だ。あの馬鹿は、少しきつく問い詰められただけで、何でも喋りかねない。

しかも浅木辰也は鋭い。昨日、自分はあまりに出来すぎたタイミングで彼をその場から遠ざけた。もし疑いの矛先がこちらへ向け...

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