第5章

 レンの小さな指が、ドレスの裾をぎゅっと握りしめていた。

 娘はここ五分ほど、デクランがロザリーと笑い合う姿をただ見つめていた。身じろぎもせず、言葉も発さず。ただ小さく、静かに立ち尽くしていた。自分の父親であるはずの男が、他人の人生の中で、他人の子供と家族ごっこに興じているのを。

「お母さん」今にも泣き崩れそうな声だった。「お父さんは……もう私のこと、いらないの?」

 私は膝をつき、娘を強く抱き寄せた。これ以上あの光景を見なくて済むように、その小さな顔を私の肩口に押し当てた。

 夕食のテーブルでは、セラフィナがフォークを置き、ふと何かを思いついたように小首を傾げていた。

 廊下の奥...

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