第6章

 ロンドンでの生活は、想像していたよりもずっと心地よいものだった。

 冬夜は毎日のように顔を出した。学校まで迎えに来てくれることもあれば、夕食を共にすることもある。あるいはただカフェに座り、お互い好きなことをしながら、時折視線を交わすだけの日もあった。

 私たちは、一緒にいた。

 大げさな告白があったわけではない。ただ、自然とそうなったのだ。彼が私の手を取り、私はそれを振りほどかなかった。

 彼がキスをし、私も口づけを返した。

 それがすべてだった。

 二ヶ月後、彼は唐突に切り出した。

「来週、国へ戻らないか?」

「どうして?」

「母さんが現場を見てくれる人を探しているんだ...

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