第7章

 晴子の国内オフィスはそれほど広くはないが、立地は最高だ。ビジネス街のど真ん中にある。

 十時に到着すると、受付ですべての準備が整えられていた。

 引き継ぎは予想以上にスムーズに進んだ。晴子が手続きの大部分を簡略化してくれていたおかげで、私はただ署名するだけで済んだ。

 昼食後、コーヒーを買うために階下へ降りた。

 エレベーターのドアが開く。

 私は凍りついた。

 ロビーに蓮が立っていた。私を見つけた瞬間、彼が駆け寄ってくる。

「紫苑」

 彼は痩せていた。目の下には隈ができ、ひどくやつれている。荒んだ様子だった。

 私は彼を無視して通り過ぎようとした。

 彼は後をついてき...

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