第8章

 冬夜が戻ってきた本当の理由を知ったのは、交渉の席についてからだった。

 晴子が誰かに「監督」させる必要があったあのプロジェクト? それは二宮家にとって、最後の命綱だったのだ。

 大吾は長年にわたり会社を食いつぶし、経営を破綻させていた。借金まみれで、価値のある資産といえば、わずかな土地くらいのもの。晴子はもう彼に関わりたくなかったが、冬夜は違った。

 彼は自らの手で、二宮家から何もかも剥ぎ取るつもりだったのだ。

 交渉は晴子の会社の会議室で行われた。私は部屋の隅に座り、その様子を観察していた。

 弁護士たちの他に、若い顔ぶれもちらほら見えた――他の家から勉強のために送り込まれてき...

ログインして続きを読む