第20章 義母の嫌がらせ

佑奈はスマホをスクロールしていた。けれど瞳には、いっさい波が立たない。胸がすっとすることもない。

端末を伏せ、唇をきゅっと結ぶ。思い浮かぶのは、あの暴走した少女の顔だった。

まだ二十歳そこそこ。大学も卒業していない年齢で、会ったこともないアイドルのために――いや、もしかしたら「知っている」と思い込まされ、誘導されていたのかもしれない――人生を丸ごと投げ捨てた。

佑奈は知りたかった。佐伯薫という人間に、心はあるのか。あれだけのことが起きても、補償のひとつすら出さないなんて。

考えているうちに、ふと思う。結局、似た者同士は引き寄せ合うのだと。

有川紘樹は冷めていて薄情な男。佐伯薫も、き...

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