第22章 彼に一銭も使わせなかった

有川紀子は焦っていた。

「この数年、佑奈はあんたに食べさせてもらって、着せてもらって、使わせてもらってきたんでしょう。それなのに今さら声明ひとつ出すのも嫌がって、離婚だなんて騒ぎ立てて……ほんっとに気持ち悪い女。どうして懲らしめちゃいけないの?」

「私は、あの人のお金は使っていません」

佑奈はそう言うと、バッグからカードを一枚取り出した。

有川紘樹が結婚後に渡してきたカードだ。

テーブルにぱん、と置く。

「調べればいいです。菜央の買い物以外、一円も動かしてない」

有川紀子が鼻で笑った。

「白々しい。紘樹が渡したカードよ? 好きに使えるのに、使ってないわけないじゃない」

有川...

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