第107章

事の発端は、A大学の指導教員が直々に菅田有紀へ電話をかけてきたことだった。

A大学の学部長まであの大会の動画を目にし、菅田友香の経歴を知りたがっているという。しかも可能なら、学部長自ら菅田友香を弟子に迎え、手ずから育て上げたい――第二のANNにするために。そうまで言った。

菅田有紀がしどろもどろになりながら、「少しお時間をいただかないと、確認が……」と答えると、指導教員はさらに爆弾のような話を投げてきた。

一日でも早く菅田友香本人に会うため、学部長は2か月後に行われるJ市デザインコンテストの準決勝で、A大学を代表して自ら主席審査員を務めることを決めたのだという。

本来なら、A大学の学...

ログインして続きを読む