第111章

来月の藤原グループ周年記念パーティーを取り仕切っている広報部の統括部長が、社長室に入ってきた。

進捗を報告し終えると、彼女は念のために確認するように言った。

「藤原社長、今回ANNがきますが……奥様と、個別にお会いする場を設けますか?」

藤原行船が一瞬、きょとんとする。

「どうしてだ?」

「当時、ANNと藤原グループを繋いだのは奥様でしたので――」

そこまで言いかけたところで、菅田有紀が不安げな表情のまま割って入った。

「個別に、ですか? ANNみたいな大物が……お姉ちゃんと昔話する時間なんて、あるんでしょうか」

さらに畳みかける。

「それにANNと親しいのは東山菫先生であ...

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