第121章

菅田有紀の足元にあるものを見た瞬間、菅田友香の瞳孔がきゅっと縮んだ。

「翡翠の簪……!」

「菅田有紀、いったい何をするつもり? 訴えられたらどうするの?」

けれど菅田有紀は、にこにこと胸元を軽く叩き、怖がるふりをしてみせる。

「あら、こわ~い」

「でも、さっき入ってきた時にはもう床に落ちてたのよ? 私、うっかり踏んじゃっただけ」

「……っ!」

菅田友香は目を赤くして、翡翠の簪を奪い返そうと一歩踏み出す。

その瞬間、菅田有紀が人さし指を立て、左右にふりふりと振った。

「動かないで。びっくりしちゃったらさ、私、うっかり力入れちゃうかも。そうしたら――翡翠の簪、割れちゃうよ?」

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