第127章

藤原行船の焦りようとは対照的に、永橋英明はやけに落ち着いていた。

意味ありげに行船を一瞥すると、検査結果の束をひょいと差し出す。

「問題ないよ。元気だ」

「元気? 慰めなくていい」

行船は信じられないとでも言うように、ぱらぱらと紙をめくり始めた。

永橋英明は呆れたように息を吐く。

「落ち着けって。ちゃんと読め」

「それに本当に異常所見はない。君が言ってたみたいな大病明けの人には見えない」

だが行船は返事もせず、ただ黙々とページを繰っていく。

最後の一枚まで辿り着いたところで、ようやく肩の力が抜けた。――それでも表情の陰りは消えない。

「報告書じゃ問題が出てないのは分かる。...

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