第132章

次の瞬間、菅田有紀が藤原行船のそばへ駆け寄り、媚びるように身体を寄せた。

「行船兄さん、いい知らせがあるの」

藤原行船はようやく彼女へ視線を向ける。声は相変わらず低いまま。

「……何だ」

菅田有紀は笑みをいっそう甘くする。

「パパが私の予選の作品を見てくれたの。『十分、1位を狙える』って」

「1位」という言葉に、藤原行船の興味がほんの少しだけ浮いた。

それを見逃さず、菅田有紀は畳みかける。

「1位を取れたら、私、H国代表として国際デザインコンテストに出られるの。そうなったら、藤原グループだって海外市場を本格的に取りにいけるよね」

「行船兄さん、うれしい?」

菅田有紀の機嫌...

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