第139章

しばらくしてから、藤原行船の手がようやく菅田有紀の背にそっと落ち、軽くぽんぽんと叩いた。

「もういい。俺とおまえの間で、遠慮はいらない」

菅田有紀は頬を朱に染め、名残惜しそうに彼の腕の中から離れる。けれど次の瞬間には、期待に満ちた瞳で見上げた。

「行船兄さん、展示会……お姉ちゃんを招待してもいい?」

藤原行船の表情が一瞬だけ曇る。だが、有紀のひたむきな眼差しに押され、結局は小さく頷いた。

「展示会はおまえのものだ。好きにしろ」

それから、低く付け足す。

「……ただ、あいつの性格じゃ、来ないだろうがな」

菅田有紀の瞳は、澄んだ泉みたいにきらきら輝いた。

「大丈夫。誠意があれば...

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