第020章

「菅田友香! やりすぎだろ!」

藤原行船は我に返るなり、勢いよく菅田友香を突き飛ばした。

だが幸い、横にいた清水奈々が咄嗟に支えたため、菅田友香は床に倒れずに済んだ。

藤原行船の視線が、菅田有紀の白い頬にくっきり残った赤い手形へ吸い寄せられる。

「友香……おまえには、がっかりだ」

そう吐き捨てるように言い、彼は菅田友香の手首を強く掴んだ。

「有紀に謝れ」

菅田友香は、異様なほど静かだった。

……やっぱり。

いちばん近かった人間ほど、いちばん深く刺してくる。

藤原行船。私が母をどれだけ大事にしてきたか、知ってるくせに。

それでも菅田有紀のために、母の作品を貶した――。

...

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