第080章

「何だと……!」

菅田有紀が倒れたと聞いた瞬間、藤原行船は他のことなど構っていられなくなり、控室へ頭から突っ込んだ。

顔面は真っ青、目も固く閉じたまま――その姿を見た途端、胸の奥がざわつき、苛立ちとも不安ともつかない感情が一気に押し寄せる。

行船は有紀を抱き上げると、傍らの秘書へ怒鳴りつけた。

「早く車を回せ! 今すぐ病院だ!」

抱えたまま玄関へ向かおうとした行船を、秘書が勇気を振り絞って呼び止める。

「社長……外に、アンチが大勢集まって騒いでいます。正面は危険ですし……裏口から出ましょう」

藤原行船はぎろりと睨みつけた。

「役に立たん。余計なことばかりしやがって」

「……...

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