第2章
イーサンの葬儀は、その三日後に執り行われた。
どんよりと曇った空は、まるで私の子の死を悼んでいるかのようだった。
墓石に刻まれた息子の名前を見つめる私の頬を、音もなく涙が伝い落ちていく。
「ウッド夫人、このたびはご愁傷様です」
黒いドレスに身を包んだクロエ・ミラーは、計算し尽くされたような程よい悲哀を顔に浮かべていた。彼女に手を引かれているミア――七歳になるその少女は、血色の良い頬と輝く瞳を持ち、物珍しそうに辺りをキョロキョロと見回している。
私の視線は、ミアの顔に釘付けになった。
その瞳。
本来ならイーサンのものであるはずの青い瞳が、今は別の少女の顔に収まっているのだ。
クロエが身をかがめ、私の耳元へと顔を寄せた。彼女の唇が耳に触れんばかりの距離で、私にしか聞こえないほどの低い声が囁かれる。
「ダイアナ、あなたの息子さんには感謝しているわ」
私は息を呑んだ。
「彼がいなかったら、ミアがこんなに元気になれるはずなかったもの」彼女の唇の端に、かすかな笑みが浮かぶ。「アーサーの言う通りね――あなたの息子の唯一の価値は、ミアを生かすことだったのよ」
私は勢いよく顔を上げ、怒りに燃える目で彼女を睨みつけた。
彼女は身を起こすと、まるで何事もなかったかのように、一瞬で先ほどの哀れみを誘う表情へと戻った。そしてミアを見下ろし、優しく語りかける。「ミア、ウッド夫人にご挨拶して」
ミアは顔を上げ、あの――イーサンの――瞳で私を見つめ、愛くるしい笑顔を向けた。「こんにちは、おばさま」
全身が小刻みに震えた。
爪が掌に深く食い込み、指の隙間から血が滲み出す。大声を上げ、今すぐ飛びかかって、あの女の偽善的な顔を引き裂いてやりたかった――。
だが、私はそうしなかった。
歯を食いしばり、車椅子の上で微動だにすまいと必死に堪えた。
ここはイーサンの葬儀の場なのだ。ここで騒ぎを起こすわけにはいかない。息子の最期の時間を、見世物にするわけにはいかなかった。
クロエは私が必死に耐える姿を見て満足したようだ。彼女は侮蔑の笑みを浮かべると、ミアを連れて背を向けて歩き出した。
参列者たちは次第に散っていった。
最後には、墓地に私一人だけが残された。
震える手を伸ばし、墓石に刻まれたイーサンの名前をそっとなぞる。
「イーサン……イーサン、ごめんなさい……」
堪えていた涙が、ついに堰を切ったように溢れ出した。
「もっと早く気づくべきだった……あなたを守ってあげなきゃいけなかったのに……」
私は墓石にすがりつき、冷たい石に額を押し当てて、声高に泣き崩れた。
「あんなにピアノを弾くのが好きだったのに、曲を作るのが大好きだったのに……お父さんに聴かせてあげるって言ってたわね……でも、あの人にそんな資格はなかった……あなたの父親でいる資格なんて、最初からなかったのよ……」
私は長い間泣き続けた。涙が完全に枯れ果てるまで。
どれくらいそうして座っていたことだろう。背後から、足音と笑い声が聞こえてきた。
アーサーとクロエが並んで歩いてくる。その後ろには二人のボディガードが控えていた。クロエの腕の中には、死んだ猫が抱きかかえられている。その体は硬直し、彼女の腕の中で丸まっていた。
アーサーは彼女を見下ろしながら何かを語りかけており、その顔には、私がかつて一度も見たことのないような優しい表情が浮かんでいた。
二人は墓石の前で立ち止まった。
クロエは顔を上げ、目を赤くして、わざとらしくか弱そうな声を出した。「アーサー、この猫は私にとって家族同然だったの。三年間もミアに寄り添ってくれたのに、死んでしまうなんて……ここに埋めてあげたいわ」
彼女はイーサンの墓石を見下ろし、唇を噛んだ。「それに……イーサンもきっと寂しいはずよ。この猫が一緒にいてあげれば、ちょうどいいんじゃないかしら?」
全身の血が凍りついた。
「ふざけないで!」
私は全身を震わせながら、狂ったように車椅子を動かし、墓石の前に回り込んだ。脊髄の損傷で両足は動かない。手で必死に車輪を回し、自分の体でその小さな墓石を庇うことしかできなかった。
クロエはすぐに目に涙を浮かべ、アーサーの腕の中に身をすくめた。死んだ猫を抱きしめ、声を震わせる。「アーサー……私、何か悪いことを言ったかしら? ただ……猫がイーサンのそばにいてあげられたらって思っただけなのに……ごめんなさい、私、来ない方がよかったのね……」
彼女は顔を涙で濡らしながら背を向けようとした。その演技はあまりにも真に迫っていた。
アーサーは彼女の腕を掴み、私に向かって顔をしかめた。「ダイアナ、クロエは善意で言っているんだ。そんな態度をとる必要があるのか?」
「善意ですって?」私は信じられない思いで彼を睨みつけた。「この女は死んだ猫を私たちの息子と一緒に埋めようとしているのよ。それが善意だと言うの!? イーサンはあなたの息子でもあるのよ!」
「ただの猫じゃない」アーサーの声が冷たく響いた。「三年間ミアに寄り添ってきた、彼女の一番の友達だ。クロエはただ、安らかな眠りにつける場所を与えてやりたいだけなんだ」
私は彼を見た――かつて私が心の底から愛したこの男は今、愛人の機嫌を取るために、私たちの亡き子を猫と一緒に埋めようとしているのだ。
クロエは彼の腕の中に身を隠し、声を殺してすすり泣いた。「全部私のせいよ……来なきゃよかった……アーサー、もう行きましょう……」
彼女は突然私の車椅子に歩み寄り、私を慰めるかのようにしゃがみ込んだ。
だが、その声は私にしか聞こえないほど低く落とされていた。「ダイアナ、そんなに怒らないで。イーサンは天国から見ているわ――自分を守ってくれなかったあなたを、彼は恨んでいるかしらね?」
彼女の唇に、ほんの一瞬、勝ち誇ったような笑みが浮かんだ。
「死んでしまえ!」私は身を乗り出し、クロエに向かって手を伸ばした。彼女の髪を鷲掴みにし、力任せに引っ張る。
クロエは悲鳴を上げ、よろめきながら後ずさった。アーサーが私の手首を掴むより早く、私は彼女の顔を思い切り平手打ちした。
「やめろ!」彼は怒鳴りつけた。「一体どういうつもりだ!」
クロエは彼の胸に飛び込み、声を上げて泣き喚いた。
アーサーは彼女の肩を叩いてなだめると、背後のボディガードたちを振り返った。「やれ」
二人のボディガードが前に出た。
「やめて!」私は叫び、必死に車椅子を回して墓石の前に立ち塞がった。「やめなさい――ここはイーサンの墓よ! 誰にも指一本触れさせない!」
一人のボディガードが私の車椅子を力ずくで押さえつけ、もう一人がシャベルを手に取って土を掘り始めた。
土が掘り返される音が、ナイフのように私の心をえぐった。
「やめて……やめて!」私は声を枯らして叫び、車椅子から立ち上がろうとしたが、脊髄を損傷した両足は全く動かない。私は地面に崩れ落ち、彼らが私の息子と一緒に猫を埋めるのを、ただ無力に見つめることしかできなかった。
アーサーは私を一瞥だにしなかった。
二人は連れ立って歩き去っていく。その親しげな後ろ姿は、まるで本物の夫婦のようだった。
そして私は、掘り返されたばかりの土を見つめながら、全身を小刻みに震わせていた。
目を閉じ、深く深呼吸をする。
震える手でスマートフォンを取り出し、何年も使っていなかった連絡先をスクロールした。
画面には「父」という文字が表示されていた。
最後にこの番号に電話をかけたのは七年前のことだ。ウォール街の叩き上げの投資家であるアーサー・ウッドと結婚すると伝えた時だった。
父は電話の向こうで丸一分間沈黙し、そしてこう言った。「こんな男のために、アストリア家のすべてを捨てるというのか?」
私は、彼は「こんな男」ではない、それだけの価値がある人だと言い返した。
父は言った。「必ず後悔するぞ」
私は電話を切り、それ以来二度とその番号にかけることはなかった。
今、電話がつながった。
年老いてはいるが威厳のある声が聞こえてきた。その声は、押し殺した感情でわずかに震えていた。「ダイアナか?」
父の声を聞いた瞬間、再び涙が溢れ出した。
掠れてほとんど聞き取れないような声で、私は言った。「お父さん……ごめんなさい……」
「忘れるな、ダイアナ。お前はいつまでもアストリアの人間だ。何があろうと、家に帰ってきなさい」
「お父さん、私、離婚するわ」
「手配しよう。二日後の便を予約する。準備しておきなさい」
電話を切った後、私はスマートフォンを握りしめ、イーサンの墓石に目を向けた。
「イーサン、お母さんと一緒に、お家に帰りましょうね」
