第327章

岩崎奈緒は手をこまねいているつもりはなく、真っ先に谷口優奈へ電話をかけた。谷口家の力を使って、あの男二人を調べてくれるよう頼むためだ。

「そんなことが!今すぐ調べさせるわ。奈緒、心配しないで、病院でゆっくり休んでて!」

電話を切った岩崎奈緒は、病室のドアが萩原彩花によって押し開けられるのを目にした。

萩原彩花は彼女を睨みつけ、冷たく笑う。

「義兄さんがもうすぐ来るわ。どうやって謝るか、よく考えとくことね」

岩崎奈緒は可笑しくなった。

「あなたは懲りないみたいね。自分がどうして病院に来る羽目になったか忘れたの?」

萩原彩花の顔がこわばり、その瞳に怨嗟の色が宿る。

しかし、藤原光...

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