第329章

彼は片腕で花を抱きながら、もう片方の手で電話に出ていた。

電話の相手は井上進だった。

「社長、先方から入った情報は以上です。以前、我々が岩崎家の業務を妨害した件ですが、現在、岩崎雄大はずっと入院しており、公務はアシスタントが処理しているようです。近々、とある企業と契約を結ぶ予定ですが、その会社は我々藤原グループがブラックリストに入れたことがある会社でして、このプロジェクトはまさに罠です。後々数千億もの賠償が発生する可能性があり、岩崎家にそれほどのキャッシュフローはないでしょう。もし本当に契約してしまえば、岩崎家は賠償金を支払えず、間違いなく破産します」

井上進も、先ほど友人と話している...

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