第348章

看護師は少々わけがわからないといった様子だったが、それでもトレイを持って岩崎雄大の病室へと入っていった。

二人のボディガードは薬を交換しに来たのがいつもの看護師であるのを見て、特に制止はしなかった。

看護師が注射器に薬液を吸い上げ、点滴ボトルに注入しようとした、その時だった。岩崎雄大がカッと目を見開き、ぜえぜえと荒い息を吐き始めたのだ。

突然のことに看護師は飛び上がり、持っていた注射器を床に落としてしまった。

彼女は慌てて部屋を飛び出し、廊下で叫んだ。「先生!先生!」

すると、大勢の医師が駆けつけ、岩崎雄大を救命救急室へと運び込んでいった。

看護師は誰もいなくなった病室に立ち、床...

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