第357章

道村雪の顔がさっと青ざめた。まるで平手打ちを食らったかのようだ。

「藤原社長……」

しかし、藤原光司の視線は彼女には向けられず、他の数人へと注がれた。

「今後一切、関わるな」

これは道村雪の面子を完全に潰す行為だった。

「藤原社長、私は林田景の彼女なんです。最近、私たちとても仲が良くて、ですからその……」

藤原光司の視線が途端に鋭くなり、その眼光に射抜かれた道村雪は全身を硬直させ、再び岩崎奈緒への恨みを募らせた。

藤原光司はそれ以上何も言わず、足早に立ち去った。井上進がその場に残り、他の受付嬢たちに釘を刺す。

「デマを流せば、法的責任を問われることになる」

受付嬢たちは恐縮...

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