第395章

「私があなたの同伴者になるわ!」

彼女の声は喜びで弾んでいた。

藤原光司はまつ毛を伏せ、手の中のコーヒーを置いた。「初、オークションに行くわけじゃない」

言外には、君を同伴者にする必要はない、という意味が込められていた。

萩原初の顔がさっと青ざめる。ここまで言われてしまっては、もう引き下がるわけにもいかず、なんとか取り繕った。

「わかったわ。海外のプロジェクトで何か問題でも起きたの?あなたが直々に行かないといけないとか」

藤原光司は頷き、傍らのノートパソコンを開いた。

彼は岩崎奈緒にメッセージを送る。

【明日、海外まで付き合ってもらう】

岩崎奈緒がそのメッセージを受け取った...

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