第22章

HG建材に戻ったころには、もう午後3時を回っていた。

受付の女性は、篠原霧音が子どもを二人連れて入ってくる姿を見て、目を疑った。しかもそのうちの一人が、社内では氷みたいに冷たいことで有名な「若様」だ。

そして何より――若様が、笑っている。

今野天は、難航していた海外の取引先をようやく送り出したばかりで、休憩室のソファに沈み込み、疲れた指でこめかみを押さえていた。

そのとき、ドアが開く気配。

まぶたも上げないまま、しゃがれた声で言い放つ。

「だから、来るなって言っただろ。邪魔すんな」

「俺だ」

短く切れ味のいい一言に、今野天の指がぴたりと止まる。

顔を上げると、ローテーブルの...

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