第25章

プロジェクト部は、死んだように静まり返っていた。針一本落ちても聞こえそうなほどだ。

受付の若い子のひと言で、全員が顔を見合わせる。

HG建材の今野社長?

冷酷無慈悲で有名な男だ。こちらが何人送り込んでも、面会の一つすらまともに取れず、ことごとく跳ね返されてきた。

それが今になって――名指しで、篠原霧音に会いたいだと?

短い沈黙のあと、オフィスは一気に騒然となった。

「聞き間違いじゃないよね? 今野社長が直々に?」

「篠原霧音って何者? この前まで『門前払い』って言ってなかった?」

誰かが霧音を上から下まで値踏みするように眺め、鼻で笑った。

「何者って……あの顔、忘れたの? ...

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