第40章

浴室のドアが押し開けられ、むわっと湯気が流れ出した。

笠原灯は浴衣姿のまま、濡れた髪先から雫を落としながら出てくる。適当にタオルで二、三度拭うと、そのままリビングのソファへ向かった。

ローテーブルの上で、スマホの画面がちょうど暗転する。

手に取り、ロックを解除しかけたところで――動きが止まった。

通話履歴の最上段に表示されていたのは、篠原霧音。

接続は10分前。通話時間は20秒。

笠原灯の指がきゅっと強張る。この部屋で、彼の電話に出られる人間は――彼以外にひとりしかいない。

彼は勢いよく振り向き、視線を清水月に叩きつけた。

清水月はソファの端に座り、雑誌を抱えていたが、彼が出...

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