第42章

ふわふわの枕が笠原灯の胸にぶつかり、そのまま床へ落ちた。

篠原霧音の警戒むき出しの姿を見た瞬間、灯の胸の奥で火がボッと燃え上がる。抑えようにも抑えが利かない。

わざわざ駆けつけて、こんなにひどく具合を悪くしているのを見て、気が気じゃなかった。なのに彼女は、目を覚まして真っ先に言ったのが「出ていけ」だ。

灯は腰を折って枕を拾い、乱暴にベッドへ放り投げる。声も硬くなる。

「俺は奈々を見に来たんだ」

「こんな状態で、俺の娘の面倒が見られるわけないだろ」

「余計なお世話よ!」霧音はドアを指さし、震える指先を突きつける。「笠原灯、言葉が通じないの? 出ていけって言ってるの!」

「薄っぺら...

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