第48章

笠原灯が口を開くより先に、篠原霧音は背を向けた。彼に言い返す隙すら与えない。

もう振り返りもしないまま、大股で車道の向こうへ渡っていく。

向かい側で、短くクラクションが鳴った。

古川司真の車が路肩に停まっている。篠原霧音を待っていたのだろう。

笠原灯の姿を認めると、古川司真は遠目から一度だけ視線を寄こした。

男なら誰でも分かる。あれは、挑発だ。

篠原霧音はドアを開け、乗り込み、閉める。

それきり、笠原灯を一度も見なかった。舐める

……

夜。

篠原霧音が二人の子どもをようやく寝かしつけた瞬間、リビングのローテーブルに置いていたスマホがぶるぶると震えた。

画面に表示されたの...

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