第60章

篠原霧音が自宅で過ごしてまだ二日も経たないうちに、以前、彼女に辞職を宣言したマネージャーから電話が入った。

通話を取るなり、霧音が何か言う前に、向こうから丁寧で愛想のいい声が飛んでくる。

「篠原課長、大変申し訳ありません。先日の調査に、少々行き違いがございました」

「篠原課長と古川司真さんに関する噂ですが、社内で確認したところ、すべて事実無根でした。上層部もこの件を重く見ており、私からぜひ復帰していただけないかと……」

霧音は、思わず目を瞬かせた。

こんなに早く戻れるなんて。

てっきり、体よく自主退職に追い込むための電話だと思っていたのに。

「……確認、取れたんですか?」

「...

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