第8章

江口青が怒りを押し殺した声で言った。

「お父さん、お母さん、いい加減にして。ここは私が借りてる部屋だよ。誰を住まわせるかは私が決める。それに、奈々はまだ4歳。子どもの前で、そんなこと言わないでくれる?」

そう言って奈々を胸に抱き寄せ、思わず庇うように続ける。

「この馬鹿娘! あんたのために言ってるのよ!」

江口母の声が跳ね上がる。歯がゆさと苛立ちが滲んでいた。

「篠原霧音が今どんな評判か知ってる? 名家に捨てられた女よ! しかも出どころも分からない子どもまで連れて……そんなのとつるんで、あんたに何の得があるの!」

「得とか関係ない。霧音は私の友だち。そういう言い方、二度としないで...

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