第20章

二谷夜子の瞳に、怒りの火が燃え上がる。

「江原和直の、あの畜生じみた真似……あんたが黙認したんでしょ!」

今夜の慈善晩餐会は、藤原右京の庭だ。彼が首を縦に振らなければ、江原と和直がこの場所で女に薬を盛るなんて、できるはずがない。

藤原右京は、彼女のむなしい抵抗など造作もなく押さえつけた。――それどころか、露わになった腰の冷たい肌を、指の腹でわざと強く擦ってくる。ぞくり、と勝手に震えが走り、夜子は歯を食いしばった。

低い笑いが喉の奥で鳴る。熱い息が、敏感な首筋に吹きかかる。

「反応が早いな。まだ薬が、頭を完全に潰してないってことか?」

怒鳴り散らしたい。罵って、噛みついてやりたい。...

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