第25章

二谷夜子は救急箱を開け、消毒用の綿棒と軟膏を取り出した。

ひやりとした指先に薬を取って、彼の火照った肌へ、そっと触れる。

息を詰め、痛ませないよう細心の注意を払って、やさしく塗り広げていく。

軟膏の冷たさと、彼女の指の腹のぬくもり。

それはかすかな電流みたいに皮膚の表面を走り、藤原右京の神経の末端へするすると潜り込んでいった。

言葉にしがたい、ぞくりとした痺れにも似たむず痒さが、ふいに全身を駆け巡る。

昨夜、あれほど濃密に絡み合った時よりも、なお煽情的だった。

広い背筋がほんの一瞬だけぴくりと強張り、右京はすぐさま意識して力を抜いた。だが呼吸だけは、わずかに深くなる。

「二谷...

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