第53章

二階――

周防雨子はドレスに着替え終えてから、ようやく鈴木撫子を部屋へ入れた。

鈴木撫子は雨子の沈んだ表情に気づきもせず、憤りを噛み殺すように言った。

「雨子、今聞いたんだけど……景冶が天野巽を追い出したって!」

「天野巽、二谷夜子にちょっと手ぇ出しただけなのに、ボコボコにされてさ。今もうキレ散らかしてて、ずっと私に電話してくるの」

「……私たちの計画、失敗だよ」

「私たち?」周防雨子はきょとんとした顔を作る。「鈴木撫子、何の話をしてるの?」

鈴木撫子は、なぜそんな質問をされるのか分からない。

「二谷夜子が江原様に色目使ってたじゃない。前に『ちょっと痛い目見せよう』って話した...

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