第58章

「ホールインワン!」

脇にいたスコアラーが旗をぶんぶん振りながら、興奮した声を張り上げた。

「うそだろ!?」

「ホールインワン!? 二谷夜子がホールインワンを出したのか!?」

「見間違いじゃないよな!?」

ほんの一瞬、場がしんと凍りつく。

次の瞬間、ギャラリーは耳をつんざくような歓声に包まれた。

誰も彼も、あまりにも鮮やかなその一打に呆然としていた。

二谷夜子はクラブを無造作に地面へ放る。どこか気だるげで、いかにも肩の力の抜けた仕草だった。

それから、雷に打たれたみたいに固まっている木原空人を横目で見て、ぱちりと瞬きをする。

「まあ。先輩、私のボール……入っちゃったみたい...

ログインして続きを読む