第7章

良也を行かせるわけにはいかない。彼は死の淵から戻ってきたばかりなのよ。もう二度と彼を失いたくない。

私は良也の腕を掴んでいた手を離し、深呼吸した。「ここで待ってて」

「美月、正気かよ!」良也の声はひび割れ、私に手を伸ばしてきたが、私はすでに炎に向かって走り出していた。

「危険すぎる!」背後で良也が叫んだが、その声はもう遠くなっていた。

私は最後にもう一度だけ彼を振り返り、力の限り叫んだ。「時間がないの! まだ中に人がいる!」

そして私は、地獄へと飛び込んだ。

熱波が即座に私を飲み込み、煙で目を開けていることさえ困難だった。腕で鼻と口を覆い、身をかがめながら手探りで前に進...

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