第8章

星奈視点

研究室の一件から一週間が経った。

学校側がその「騒動」を静かに処理してくれたものの、翔太と私の関係は完全に壊れてしまった。でも、航平が私を守ってくれるから、噂なんてそれほど気にならなかった。

それ以上に大きかったのは、私がいくら断っても、航平が私の生活費のほとんどを負担してくれるようになったことだ。これでようやく、翔太の金銭的な支配から解放された。

けれど、もっと大きな衝撃が私を待ち受けているなんて、知る由もなかった……。

病院、午前十時。

診察室の椅子に座っていると、蛍光灯の光が痛いほど眩しい。最近ずっと吐き気と疲労感に襲われていて、それに加えて、言葉にで...

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