第7章

怪我が癒えると、城崎霖が車で私を実家まで送ってくれた。

そこは、私たちが幼い頃から育った場所。見慣れた庭、見慣れた玄関のポーチ。

けれど今回ばかりは、心はかつてないほど緊張していた。

「怖がらなくていい」

城崎霖が私の手を強く握りしめる。

「俺がいる」

彼がインターホンを押した。

すぐにドアが開き、母さんが顔を見せる。

「灯? 霖?」

私たちを見て最初は驚いたようだったが、すぐに視線が固く繋がれた手元に落ちた。その瞳に複雑な色が過り、やがて小さく息を吐いた。

「……入りなさい」

リビングでは、父が新聞を広げていた。

私たちが入っていくと、父は新聞を置き、私たちの顔を順...

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