第100章

微妙で張りつめた空気が、二人のあいだで固まった。

小島奈緒が笑って、尋ねる。

「どうして急に、そんなこと気になったの?」

笑みはひどくぎこちない。風間怜司には、それが痛いほど分かった。胸の奥が、ぎゅっと縮む。

回りくどいのは、もともと風間怜司の流儀じゃない。

彼は小島奈緒を見据え、正直に言った。

「俺、最近……変な夢をよく見る。お前が同級生に噂で傷つけられてる夢。坂本哉太が学校でお前にまとわりついてる夢。それから……銀海ホテルの夢も」

一言増えるたび、小島奈緒の表情が少しずつ消えていく。

銀海ホテル――彼女が落ちた場所。その名を出した瞬間、彼女の顔からは何もなくなった。

ま...

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