第12章

風間怜司は土曜の朝、自宅のベッドで目を覚ました。頭が、ずきずきと痛む。

「……っ」

思わず呻いて、目を閉じたままこめかみを揉む。しばらくそうしてから、ようやく上体を起こした。

昨夜、酒は飲んだ。だが自分の酒量で二日酔いになるはずがない。頭痛の原因は別だ。――一晩中、夢を見ていた。浅い眠りのまま、何度も引き戻されるような夢。

目覚めて数秒で、夢の輪郭は霧みたいに崩れていく。それでも、ひとつだけ引っかかっていた。

小島奈緒が、夢に出てきた。

『もし来世があるなら……』

そう言って、彼女は彼を見つめ、泣いていた。

なんで泣く。なんで、そんな顔をする。

理由は思い出せない。ただ、奈...

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